KZ ZAXをJIALAI製JLH2でリケーブル
愛用のバランスドアーマチュア型・中華イヤホン、KZ Acoustics製「ZAX」をリケーブルしました。リケーブルに用いたのは、これまた中華のJIALAI製「JLH2」。ZAXに接続するため、QDC端子の2pinを購入。
結論から言うと、私の構成ではKZ Acoustics純正で付属してきた高純度無酸素銅(OFC)の銀メッキケーブルと比較して、JLH2との音の変化は(良い意味で)殆ど感じられませんでした。
強いて言えば若干、低音がスッキリとした印象ながらも厚みを保った聴きやすい音色です。解像感も元の純正状態をキープしており、満足のいく結果となりました。布被覆で絡まり難く、落ち着いた外観も良い感じです。
原理的に、リケーブルによって「音質向上」は図れないと考えます。「音が変化する場合がある」だけです(そして、それさえも誤差の範囲内)。
たまに「高純度な無酸素銅は音の改造感があがる」とか「銀メッキケーブルは高音の伸びが良い」とか「太いケーブルは音の立ち上がりの瞬発力が高い」等のレビューを時折見かけますが全て勘違いと考えます。素材が直接音質のベクトル付けを決めることは原理的にあり得ない為です。
「変化する場合がある」とはケーブルの(素材や作りの)違いによって抵抗値が違う=ダンピングファクターが異なり、それが音の変化に繋がる為と言われています。ダンピングファクターとはアンプの仕様で性能を示す1つの指標とされるもの。簡単に言うとスピーカー部分への電流の流れやすさの事で、ケーブルの抵抗値により少なからず変化します。抵抗の差がスピーカーユニットの動きに影響を与え音質の差に繋がるという理屈です。
ただ、この影響は大きなスピーカーユニットを駆動するリビングオーディオならまだしも(その影響も大質量で駆動パワーを要するウーハーにおいて見られるのが一般的で)ごく僅かな電流しか必要としない極小ユニットを駆動するイヤホンにおいてケーブルの差によるダンピングファクターが果たして有意な影響を与えるか?について大いに疑問です。
つまり、リケーブルによって基本的には音に変化は起きないのが前提。「色々と揃えて試して自分好みの組み合わせが見つかったらラッキー」程度の世界。そうした意味で、安価に購入できる、このJIALAIや、同じく中華メーカーのYINYOO、NICEHCKなどは良質なのに安価で色々と試せて愉しみの幅が広がります。
気合いを入れて数万円のケーブルを買ったからといって手持ちの構成で必ずしも音がよくなる訳では無いのですから。
・・・もし「リケーブルにより”劇的”に音質が向上した」と言うのなら、錆びた針金をケーブル代わりにしていたのかも知れません。〔了〕