札幌の初夏を彩る、神輿渡御。

毎年、6月14日〜16日に開催される北海道神宮の例大祭に行きました。
神輿渡御は、札幌市内中心部の西側にある北海道神宮から、東側にある北海道神宮頓宮(とんぐう:神様の御旅所)までの往復・約15kmを練り歩くものです。

現代の街並みと、伝統的な装束のコントラストが興味深いです。

綺麗なお母様と娘さん。実に雅ですね。

興醒めだったのは、神主がポルシェやBMWのオープンカーで行列に参加していること。
ここは百歩譲ってトヨタ・センチュリーのオープンカー仕様など、趣きある車種を選択していただきたかったと考えます。ド派手なポルシェには違和感しかありません。
もう1つ、私が違和感を持ったのは参加者の雰囲気。上記は神輿渡御を伝えるニュース記事ですが、記事内に市民のインタビューとして掲載された男性の声「新型コロナも落ち着き(以下略)」という部分。
実際、私自身、祭りに参加していると周囲からも「やっとコロナ終わって良かったね」「こうやってお祭りを見ると、コロナが終息したって実感するよね」等の声があちこちで聞こえてきました。
・・・新型コロナって終わったのだろうか?と私は強く疑問を感じます。いま札幌市でも新規感染者数の把握は行われておらず、故にあたかも新型コロナが消え去ったような印象を受けます。
しかし、札幌市が計測と発表を続けている「下水サーベイランス」を見ると、過去最悪だった第8波に迫らんとする急激な勢いで伸びています。
少なくとも、これまで巷の感染者数(感染動向)と下水サーベイランスの値は相関関係にあると言えます。5類に変更された2023/5/8以降の感染者数把握が無いからといって新型コロナが終わった訳ではありません。
実際、多くの学校で学級閉鎖が行われていますし、行きつけの病院でも主治医は「以前の第7波や第8波に迫る勢いで感染者が増えている」と嘆いていました。
多くの人がそうであるように、私自身も新型コロナにはウンザリしています。だからといって、正しい状況認識を放棄して良い理由にはなりません。
私自身、1年以上前の第6波で感染しましたが、後遺症に苦しみ続けました。日常生活が送れるレベルに回復したのは半年以上も経過してからです。そして感染から14ヶ月が経過した今でも軽い息苦しさは続いており、運動の類は全くもって出来ない身体となりました。もう二度と罹りたく無いと心底思います。
新型コロナに怯えて行動制限するのは愚かだと思いますが、ノーガード戦法で臨むのはもっと愚かだと考えます。「コロナは落ち着いた」と認識を歪めても何ら状況は改善しません。むしろ「コロナは拡大期にある、だが祭はやるのだ」というファクト認識に基づいた行動と対策こそが、真にコロナを終息させる唯一の方法と私は考えます。
快晴の初夏、疫病退散の願いを込めて神宮を後にしました。〔了〕