「Leicaならではの色味というのものは存在しません」は本当か
またオーナーでも無い私がライカ絡みの話し。以前、某SNS上にて上記の投稿を目にしました。投稿者は「Leicaならではの色味というのものは存在しません」と主張します。この類の意見はネット上で散見しますが、果たして。
「どちらもSonyのセンサー」はその通り。「DxO Markでベンチマークしたものを見ると、100%同じ」は、やや誤解を招く表現と考えます(DxO Markを確認すると“100%同じ“では無く「実質的に同じと見做される」かと。DxOは実写比較していますからね)。
とまれ、最も違和感を持ったのは「Leicaならではの色味というのものは存在しません」なる箇所。恐らくこれは純粋にセンサーから得られた未加工のRAWデータを指しているのでしょうが、我々はセンサーが捉えた光の演算処理結果(=RAWデータ)を眺めている訳ではありませんから、これを以て「色味というのものは存在しません」と論を張るのは筋が悪いと考えます。
「写真」はセンサーが捉えた光の情報たる「RAWデータ」に、色補正やシャープネス、ホワイトバランス、トーン調整といった要素を画像処理エンジンが行って初めて成立します。(それは投稿者も触れているように)ライカなら「Leica Maestro」、キヤノンなら「DIGIC」という画像処理エンジンを介しRAWデータに色味など各種メタデータを添えた結果が「写真」です。
これこそ各メーカーの「絵作り」であり、大袈裟に言えば「思想」であり「哲学」だと考えます。我々はセンサーで捉えた情報を鑑賞しているのでは無く、カメラが生成した写真を評価しているのですからね。
※私はカメラが描き出すJPEG画像にこそメーカーの味が現れると考え、一貫して「JPEG原理主義」です。[了]