古のレンズキャップをPowerShot G1Xに装着
「ネオクラシック(新古典主義/Neoclassicism)」という表現は様々なケースで用いられますが、もっとも一般的なものは「絵画」における定義でしょうか。19世紀前後のヨーロッパにおいて流行となった芸術思想のネオクラシックは、一言でいうならフランス革命のシーンをあたかも写真で切り取ったような写実的な描写といった感じの絵画を指します。
一方、カメラ趣味における”ネオクラシック”と言えば、1980年代頃のCanon AE-1やNikon New FM2、1990年代なCONTAX T2といったフィルムカメラ愛好者が真っ先に浮かびます。
まだ歴史の浅いデジカメでも、2021年の今この時代から見れば、CONTAX TVS DIGITAL(2003年)やリコーGR DIGITAL(2005年)あたりはネオクラシックと言っても差し支え無いでしょう。
まだネオクラシックと言うには日が浅い、我が愛機PowerShot G1X(2012年)に、もうひと捻り加えてクラシック感を高めて遊んでみました。それが古いキヤノンのレンズキャップを装着した冒頭の写真です。
このレンズキャップはキヤノンが1970年代に出していたFDマウント用。ロゴマークは既に現在と同じですが、細い線が特徴的。
Powershot G1Xの標準レンズ口径は49mmに対し、このレンズキャップは55mm。ややこしいですが、フィルター装着のためのアダプターFA-DC58C(の中華互換品)で一旦58mm径にした後、ステップダウンリングで58mm→55mmにして装着しています。
そこまでして装着する実用上の意味は全くありませんが撮る気にさせてくれる、そんな「射欲」もとい「写欲」を盛り上げてるアイテム。
程よい不便さや古臭さを趣向として愉しむ、そんなココロの余裕が試される大人な趣味として、ネオクラシックなデジカメ遊びを嗜んで行きたいと考えます。〔了〕