UGREEN製Lightning→3.5mmミニプラグ変換アダプターで音質は変わるのか
iPhoneのLightning端子をヘッドフォン端子、いわゆる3.5mmのステレオミニプラグに変換する中国UGREEN社製アダプターを購入しました。
頼りないApple純正品と比較して音質の向上を期待して購入したものですが、結論から言うと「音質は変わらない」。MFi認証を受けたアダプターは全て同一仕様の為です。
ネット上でUGREEN社製アダプターのレビューを見ると「格段に音質が向上した!」という声が散見されますが、少なくとも私が試す範囲では、Apple純正と音色の傾向含め音質に差は感じられませんでした。
リファレンスに用いたヘッドフォンはJVC製HA-FXT90。2011年に発売された1万円程のミドルクラス品です。長年愛用して聴き慣れているので微細な差にも気付きやすかったりします。
アレコレと30回以上、Apple純正「Lightning 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」とUGREEN製「Lightning 3.5mm 変換アダプター」を差し替えながら聴きましたらが差らしい差は感じられず、結論としては「同じ」(音質は変わらない)と結論づけました。
UGREEN製アダプターの商品説明には、DAC(デジタル・アナログ変換)に最大48kHz/24bitが採用されており、音質がよくなる(注:何に比較して良くなるか?の記載は無し)とされています。
対するApple純正3.5mmヘッドフォンアダプターにもDACが搭載されていますが、こちらの仕様は非公開(※因みにLightning端子は、その仕様上48kHz/24bitが上限なのでMFi認証を受けた前述のUGREEN社製と同じ仕様と推察されます)。
海外サイトでは分解してDACチップがシーラスロジック社製である事まで突き止めているようですが、詳細な仕様までは判明していません。シーラスロジック社はAppleからiPhoneの内蔵DACを作っている会社で、分解してチップ名などを調べてもApple独自設計のため仕様が分かりません。
件のUGREEN製アダプターは、Apple MFi認証を受けているという事なので、理屈で言えばApple純正のチップと同じ仕様のチップが搭載されているハズで「DAC性能は変わらない」と考えるのが妥当ではないでしょうか。
(※そのApple純正Lightning 3.5mm変換アダプターの性能については、2016年に「MACお宝鑑定団」が検証し、中〜高音の音域量が若干下がっている事を発表しています)
他にもDTMやオーディオ関係のライターとして定評のある藤本健氏がMFi認証を受けた製品と、そうでない製品の差を検証した記事がインプレスに掲載されており、こちらの検証結果でもMFi認証を受けた製品には有意な差は見られなかったと結論付けています。
理屈で考えればMFi認証を受けているという点で同一仕様になるのは薄々気づいてはいたものの、配線まわりの品質とか取り回しによっても音質は変わる事や、ネット上の好評判から淡い期待をして、UGREEN製アダプターを購入してみたのですが・・・結果は変わりませんでした。
音質の違いを愉しみたいのなら、ヘッドフォンアンプ内蔵のADVANCED製Lightning Accessportとかが良いのかも知れませんね。こちらもMFi認証を受けていますが、アンプ側で音質向上が期待できそうです(ただ私の愛用するHA-FXT90には無用の長物になるので、ヘッドフォンから買い直さねば、ですがね)。〔了〕