電動キックボード(キントーンα)のバッテリー交換方法
電動キックボード「Kintone α」のバッテリーとECU(電子制御ユニット)を交換しました。作業自体は難しくありませんが、とても手間が掛かります。
尚、このDIY作業を行うと正規の保証や修理依頼が出来なくなるので、あくまで自己責任でお願いします。
■はじめに〜交換に至る経緯
我が家には、電動キックボードの割と初期に発売された「キントーン α(Kintone α)」があります。購入したものの、累積走行距離がわずか30kmを超えた辺りで故障(バッテリー残量が豊富にあっても突然電源が落ちて再起動もできなくなる現象が発生)してしまいました。
販売元の株式会社アース●ップに相談するも、保証対象外とされた(累積走行距離が僅か30kmチョイしか走ってないのに、保証期間180日を若干過ぎていた)ため、仕方なくDIYで修理することになりました。
修理にあたって電動キックボードに詳しい某氏に相談したところ、この「キントーンα」はECU(電子制御ユニット)の故障が多いようです。実際、メルカリを見ると私と似た現象の故障で不動車となったキントーンαが二束三文で出品されています(因みに前述の販売元に確認したところ「そのような類似の症状はありません!(キッパリ)」との回答でしたが・・・うーむ)。
せっかく修理でバラすついでにバッテリーも大容量のものに交換する事としました。
※追記(2024/5/14):EUCが故障していなくバッテリーが死んだ場合にも似た症状となる為、まずはバッテリー交換のみ試してみるのが良いと考えます。
■用意したもの(交換用パーツ)
前述のように私の場合はECU交換がメインのため、まずは「(1)交換用ECU」を調達。Aliexpressで購入すれば送料込みで3,000円程で売られています(届くまで1ヶ月半ほど掛かりますが)。Amazonにも似た商品が出回っていますが、どれが適合するか迄は保証できないので、申し訳ないですが言及は控えます(最悪、新規に購入したECUで全て配線し直す覚悟があれば何でも良いのかも知れませんね)。
次に用意したのが「(2)交換用バッテリー」。電動キックボードのバッテリーにはキントーンαのようにハンドルのポール部分に埋め込まれた細長い筒状のバッテリーを用いるタイプと、キックボードの足を載せるボード部分に積む平べったいバッテリーのタイプがあります。
私のキントーンαに搭載されていたバッテリーは、中国・深センにあるBangsheng Energy Technology社製のもので、公称電圧24V、容量4.4Ah、充電電圧29.4V、全長は実寸で46.5cmのものでした(上記写真の上側)。
交換用バッテリーを選ぶにあたっては、電圧などの値を考慮するのは勿論ですが、キックボード本体に装着可能な「長さ」も大切です。
今回、交換用に選んだバッテリーは、Amazonで売られていた製造メーカー不明な若干怪しげなもの(Amazon.co.jpへのリンク)。価格は12,000円程で、長さは実寸48cm。交換前バッテリーの容量4.4Ahに対し、その2倍である8.8Ahを誇る大容量(!)。これで実走行距離も大幅アップが期待できます。
本当は韓国LG製のバッテリーで同サイズ・同容量があったので評判の良いそちらが欲しかったのですが、ずっと品切れ状態で入手できなかったので詳細不明な中華製を購入するに至りました(結果的に私は問題なく使えました)。
■交換方法(キントーンαの分解方法)
電動キックボード「キントーンα」の分解について。基本的には前モデル「キントーンAir」の分解方法に似ていますが、あまり詳しく紹介したサイトが見つからなかったので参考までに掲載します。
手順等が間違っている可能性も否めませんので自己責任でお願いします。
まずキックボード本体に見える六角ボルトを外していきます。最初に前照灯まわりから。
次にキントーンαでは、キントーンAirと違ってボルトがメーターで隠れてしまっているので、メーター部分を開ける必要があります。
上記画像のようにメーターパネル部分にカッターナイフ等で慎重に隙間に挟みながら、少しずつこじ開けていきます。この際、無理にやると固定ツメが折れてしまうので慎重にいきましょう。
メーターパネルを開けると上記画像のようになります。赤丸で囲んだ2つのネジを外すとハンドルバーがボロっと外せます。
尚、上記画像を見ていただくと分かりますが、私は新車で購入して初めて開けるにも関わらず、このネジの頭は2つとも既に潰れていました・・・。電動ドリルで粗雑で無頓着に組み立て作業をした中国の工場が目に浮かびますね・・・
ハンドルバーが取れるのは良いのですが、配線が繋がっているので邪魔なので、ハンドル部分も分解します。まず左右のグリップは力を込めて握りながら回すと外れるネジ回し式になっていますので、外します。
次に配線が繋がっているアクセルとブレーキのレバーを外すため、上記画像の赤丸にある六角ボルトを緩めていきます。そうするとハンドルバーから左右レバーを抜くことができます。
ハンドルバーを外すと、その下に六角ボルトが見えるので、これを緩めることで蓋状のカバーを外せ、ECUとバッテリーにアクセスできるようになります。
このキントーンαの面倒くさい(イラつく)ところが、上記のようにECUから伸びた沢山のコードのコネクタ部分が熱伸縮チューブで覆われている点です。
このようにコネクタ部分が1つ1つ熱伸縮チューブで覆われており、コネクタに直接アクセスできません。
このチューブは防水と抜け防止の意味でつけられているものと考えますが、防水コネクタを使わずに熱伸縮チューブで覆うところがコストカットなのでしょう。
上記のように配線1本ずつ熱伸縮チューブにカッターで切り込みを入れて破いて取り除いてコネクタにアクセスしていきます。
・・・これが面倒なんです、ほんと。なぜなら組み立て時は逆に1本ずつ熱伸縮チューブを装着し、ヒートガンやドライヤーで熱をあてて縮めさせねばならない訳ですからね。無駄に時間を要します。
次にキックボードのポール根元にある4つのボルトを外します。
これでポールを外すことができます。ポールの中に筒状にバッテリーとECUが収まっていますので、慎重にゆっくりポールの外側を上に押しやるようにしながら中のバッテリーを引き抜きます。
配線されているので、無理に力をかけないよう慎重に行いましょう。
上記画像のような状態でバッテリーとECUが連なって入っています。
・・・この辺り、10万円クラスのミドルレンジ電動キックボードだと簡単にバッテリー交換できるように構成されているのですがね・・・。
ECUを見ると、余った配線がテープでグルグル巻きにされてて美しくありません・・・繰り返しますが安物ですから仕方ないですね・・・。
ECUを交換する為、元の配線を間違わないように1つ1つメモをして(iPad Proで写真に撮ってペンでメモ書きを加えながら)作業を進めていきます。熱伸縮チューブを1つ1つ破きながら・・・この辺りで面倒になってイヤになってきます。
ECU交換はせずにバッテリーだけ交換する方は、バッテリーから伸びている線だけを相手にすれば良いのですが、それとて絡んだ配線をほぐしながら作業する訳ですから結構面倒。
元のバッテリーより交換用に用意したバッテリーは1.5cm長かったのですが、問題なく収まりました。もう少し長くても入りそうですが、前述のECUから伸びる配線の逃げ道が無くなって難儀するので48cmの長さが適度な余裕もあって良さそうです。バッテリーとECUの交換が終わったら、あとはここまでの手順を順番に辿って組み立てていきます。