3年ぶりの丘珠駐屯地・一般公開
陸上自衛隊・丘珠駐屯地の一般公開イベントに行ってきました。
例年、駐屯地の創立記念周年行事として行われるのですが、新型コロナ感染拡大の影響もあり、2020〜2022年の3年間は中止されていました。そんな丘珠駐屯地の周年イベントに行くのは・・・かれこれ25年ぶり位でしょうか。
とは言え、軍用装備は更新頻度も遅いので、25年前の記憶とあまり大差ありません。今回訪れてみて感じたのは、客層や集客力が25年前のそれとは大きく異なる点でした。この日、イベントには約6000人の来場者があったようですが昔はもっと人数も少なく、そして客層もマニアックでした。
おそらく震災における自衛隊員の奮闘ぶりを目にし、自衛隊という組織に対する国民感情も大きく変わったのでしょうね。
さて、この丘珠駐屯地は「北部方面ヘリコプター隊」の基地として機能しています。その関係もあり展示もヘリコプターが中心。
陸自のヘリコプターといえば、やはり「UH-1J」。ベトナム戦争で大量投入され、米軍機の象徴的な存在でしたね。
ヘリコプターからの降下訓練。難なくスルスルとやっていますが、とても練度が試される危険と隣り合わせな高度な技術です。
そしてAH-1S。かつては画期的な「世界初の攻撃ヘリコプター」であったAH-1コブラ(の自衛隊仕様AH-1S)。
近代化装備がされているとは言え、さすがに40年前から続く兵器ということで、後継機AH-64D アパッチ・ロングボウにバトンタッチされる筈も、諸般の事情からその計画もうまく進まず、こうして今日も元気に飛び回っている訳です。
この昆虫のような独特な作りがカッコ良いですね。尚、次世代機は結局、無人機に起き変わるようですが、それも上手く進んでいるようには思えません。
16式機動戦闘車。その名の通り、2016年度から配備が進んだ比較的新しい戦闘車(=戦車では無く「戦闘車」の扱い)です。
砲撃の瞬間を狙おうと、発射タイミングに合わせて連写したものの、全て外れ。EOS Rの連写性能(約 5.0コマ/秒)では追いきれませんでした。ここはEOS 7D Mark II(約 10.0コマ/秒)を持参すべきでした。
そして、96式装輪装甲車。
96式装輪装甲車と並んで展開する歩兵の姿はカッコ良いですね。
そして「高機動車」。かつてトヨタがメガクルーザーとして市販したこともある純日本製車両です。トヨタ傘下だった日野自動車が車両を作成し、トヨタが販売していました。
ウクライナ戦線ではロシア軍が何処から入手したのか、高機動車が前線で目撃されたのがニュースになっていましたね。
高機動車の中古車を検索すると↓こんなのが出てきました。
この中古車、色々考えても不思議がいっぱいです。まず、高機動車は民間には売られていない軍用車ですし、陸自は払い下げをしていません。
しかし先述のロシア軍のように、「部品」としての払い下げ品を掻き集めて車両として再組み立てして中古市場で横流しされるケースはあるようです。
実際、下記サイト記事のように、米国で中古車として販売されている例も見つかっています。
これを日本国内に逆輸入して日本国内で乗っている人の例としては下記サイトのような例があるようです。
この記事にもあるように、元は自衛隊車両なので車両登録用の書類がなく(自衛隊から民間に名義変更するのは有り得ないですから)ナンバー取得が出来ないというのが私の認識です。
しかし、前述の中古車画像を見ると、ちゃんとナンバープレートがついています(!)。中古車販売サイトに掲載された画像を見るに、ホンモノの高機動車に間違い無いようですし(しかも、この車両には正規のマニュアルまで付属されています)、一体どうやってナンバー取得を可能としたのか謎すぎます。
※トヨタが市販していたメガクルーザーの車体番号を取り外して”コニイチ”にする位しか思いつかないです・・・果たして現実的にそんなことが可能なのかは別として。
とまれ、3630万円(!)という中古車価格を考えると、並大抵以上の労力が注がれていることは想像に難く無いのですが。
- - - - - - 追記ここから - - - - - -
どうやら陸自が解体に出した車両をバラして部品として海外に送り、海外で組み立て、ユルいフィリピン等の海外で車両登録したもの(この時点で現地当局の登録書類が出ている)を「輸入車」として日本に入れるとのこと。
この場合、日本の保安基準に従っていれば、登録を断る理由はないとの事で陸運局からナンバーを発行されるようです。
- - - - - - 追記ここまで - - - - - -
男の子は幾つになっても軍用車に憧れるものなんです(※実際、一緒に行った次女と妻は終始退屈そうで)。〔了〕