ミノルタα7000をメンテナンス
祖父の遺したカメラ「ミノルタα7000」(1985年製)をメンテナンスしました。
α7000 は樹脂を多用したボディ故に経年劣化&加水分解によってグリップ部分がボロボロになる持病があります。
まずは劣化した樹脂グリップを剥がしていきます。
グリップ部分には合皮シートを貼り付け。(カメラ用の本革貼り替えシートは各種売られていますが厚みと硬さで貼り難い為)薄くて伸びの良い汎用の合皮シートを用いました。
画用紙で型取りしてから革シートを貼り付けます。
単3バッテリーパック(BH-70L)も電池の液漏れに加えて、プラスチック劣化によってヒビ割れもしていたので直します。
ヒビ割れ補修にはUVライト照射で固まる液体プラスチックを使用。液漏れで劣化した端子は一度全て外して錆を取った上で配線はハンダ付けし直しました。
設定メモリー用コイン電池CR2016も交換(α7000電源ON時に液晶パネル表示が点滅するエラー表示となる場合は、コイン電池の交換で直ります)。
因みに、コイン電池の交換は1999年以来していなかったのですが、電池の液漏れや膨張も無く一安心。
最近では交換パーツの3Dプリンター用データを配布している有志も居るようですね。こういうのを見つけると3Dプリンターが欲しくなります。
メンテナンス完了後のα7000、実にカッコ良い。防湿庫保管だった事もあって、レンズはカビも無く美しい状態を保ってくれています。
背面のフィンガーグリップ部分にも合皮シートを貼り付け。薄くて柔らかく伸びやすい合皮シートは良い感じで貼り付けることができました。
冒頭に述べたように、このミノルタα7000は祖父(2002年に他界)から“借りパク”したもの。発売当時の1985年にα7000を祖父の家で見せて貰った時の衝撃はよく覚えています。実用的なオートフォーカスを世界初搭載し、圧倒的未来感のある、間違い無く当時最高峰のガジェットでした。
私がカメラに興味を持ったキッカケになったモデルでもあり、祖父から「借りる」名目で頻繁に使い始めて今に至る訳であります。
39年前のカメラですが、電子部分もメカ部分も全く問題なく快調に動作したのは流石に驚きです。当時の「ニッポンのものづくり」が如何に凄かったか改めて感じますね。[了]
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