デジカメ黎明戦記(1)〜昔に撮った「Photo CD」に手こずる
90年代半ば、すでにデジカメは存在していたものの、性能的に満足できるものが無かった事から、私はフィルムカメラ(ミノルタα7000)で撮影した写真をDPEショップへ現像に出す際、プリントはせずにデータである「PhotoCD」形式にお願いしていました。
当時から写真の未来はデジタル化、それもデジタルデータとして保存できる点にあると考え、積極的に写真のデジタル化を進めていました。
そんな訳で我が家にはPhotoCDがそれなりに存在していますが、久しぶりにその中に収録された写真データを閲覧しようとして面食らったのが「.PCD」拡張子のついた独自画像形式。2020年の現在、懐かしいPhotoCDの画像を読み込もうとするも、この独自形式に対応したビュアーが今となっては存在しないという問題に直面します。
当時はPCD形式の画像を読み込む専用ビュアーがPhotoCDに付属されていましたが、当時のMacはOSも「漢字Talk 7.5」(と言うダサいネーミングが昔のmacOSには付いていました)とかの頃で、当然ながら昨今のmacOS Xには専用ビュアーが対応していません。そればかりかPhotoShopをはじめとしたアプリも(僅か数年で実質的に市場から消えたPhotoCDの独自規格など)サポートしておらず、開くことができません。
さて、困ったぞ・・・と思ったとき、そういえば当時Macではアプリ「GraphicConverter」を使っていたな、と思って最新版をダウンロードしようとAppStoreを覗いたところ、現在のバージョン「GraphicConverter 10」は¥4,900もすることが判明。昔はシェアウェアだったのですが、世知辛くなったものです。
仕方ないので他のアプリを探すことに。いろいろ試してみて、もっとも効率的にPCDファイルをJPEGに変換できたのが「XnViewMP」というアプリ。約500種類の画像形式に対応している画像ビュアーで、複数の画像を選択し、JPEG形式などに一括変換する機能もあり、そして何よりもフリーソフトということで大変助かりました。これで過去の撮り溜めたPhotoCDのJEPG化が捗ります。
余談ですが、私自身、PhotoCDは1994〜1997年頃まで使っていたのですが、頻繁に使っていたのは1994〜1995年頃までのごく短い期間でした。1996〜1997年頃には、ほとんどの場合、現像したフィルムをカラースキャナーで読み込んでいました。
当時は未だそれほど普及していなかったカラースキャナですが、1995年末に発売されたEPSON製「GT-5000ART」が5万円という当時としては衝撃的な程に安価で高性能(最大300dpi)な製品が登場したことで、別にコスパに優れていなかったPhotoCDを頼むより、長い目でみたら自宅でカラースキャナを用いたほうが良いと判断した為です。
また、近所のDPEショップで頼めるPhotoCDは一般的な「Base」と呼ばれていた「512 × 768」サイズ(=約40万画素)しか対応してくれなかったのもPhotoCDから遠のいた一因でした。当時わたしが使っていたMacのマシンスペックでは十分でしたが、データからのL判プリントや将来的なことを考えると「4 Base」(1024 × 1536=約150万画素)サイズでお願いしたかったところでした。
そんなこんなをしている中で、1998年にソニーのサイバーショットF3(DSC-F3/約35万画素)を購入した事から、私はフィルム一眼レフカメラからデジカメに移行しました。これで完全デジタル化が果たせる!と期待したものです・・・
・・・が、今度は当時撮影したデジカメ画像を「MOディスク(光学ディスク)」に保存していた事から、これまた最近になってMOディスク内の画像を読み込む事ができない問題に直面します・・・長くなったので、この話はいずれ。〔つづく〕