かんすぴ盆栽日記 〜 吸音材の追加編(V3.0)

Sound damping materials.

FOSTEXのDIYスピーカーキット「かんすぴ」を少しずつ弄る連載記事


前回の「インシュレータ編」で述べたように、インシュレータ装着で設置面への響きは無くなったものの、今度はスピーカーのエンクロージャ(スピーカーのボックス)自体が共振しているのか、低音域でボワボワした響きが気になるようになりました。

無用な響きを抑える為に購入したのが株式会社光(大阪)の「高級吸音シートALP200」。サイズは30cm × 40cmで厚さ2cmのもの。300円程ですが厚みがあってしっかりしたものです。小さなエンクロージャに2cm厚はどうなのか迷いましたが、良い感じで収まってくれました。

 

BoforeとAfterを交互に比較したのが↓下記動画です。


まだ少し残ってますが、ボワボワ感は低減された感じがします。

エンクロージャの共振を積極的に抑えた、というよりは、むしろフロント開口のバスレフ式エンクロージャなので、程よく穴が塞って低音が減ったダケと考えます。まぁ、結果オーライという事で(苦笑)。

 

次に不満というか物足りないなぁ、と感じてきたのが高音域。私はここ数年、主にネオクラシックのピアノ曲を聴くので、澄んだような高域というか、音の解像感や分離にやや不満が出てきました。

・・・そうなるとスピーカーユニットを交換したくなる訳ですが、ここに「かんすぴ」が流行らなかった理由があると考えます。なぜなら、入門セットアップで初期に装着する8cmフルレンジのスピーカーユニット「P800K」がペアで税別2,600円(2012年当時の価格)なのに対し、同FOSTEXの8cm径でグレードアップしようとすると、2021年現在の価格では共に「FF85WK」(ペアで税別10,000円)、「FE83NV」(ペアで税別10,400円)と一気に4倍の価格になってしまいますからね。

低域から高域まで忠実な再現性が特徴な前者のFF-WKシリーズ、豊かな中域が特徴でボーカルを艶やかに奏でてくれるFE-NVシリーズと、共に魅力的ではあるのですが、恐らくこれらスピーカーユニットのどちらかを購入すると、いま使っているエンクロージャ(P800-E)がその小ささ故の容量不足で不満が出てくるに違いありません。・・・いや、絶対欲しくなる。

P800-E」がペアで税別2,800円(購入した2012年当時)でしたが、より容量が大きくダブルバスレフ式である同FOSTEX製「M800-DB」に交換するとペアで税別9,200円となります。結局、スピーカーユニットで税別10,000円+エンクロージャで税別9,200円の合計19,200円となるばかりか、グレードアップ前の「かんすぴ」一式が無駄になる”買い替え”になってしまう訳ですからね・・・

 

更にこの値段なら、市販品では私も愛用するYAMAHA製NS-BP200(発売当時はそれ位したんです。販売終息前後はペアで7,000〜9,000円位で売られていたようですが・・・)や、JBL製STAGE A130DALI製SPEKTOR1と言った有名ブランドの定評ある2wayスピーカーと同等価格になってしまうのですから、敢えて仕上がりが美しいとは言えない「かんすぴ」を買う意味が無くなってしまいます。

 

・・・とは言え、現状では不満が残るので、安価なスピーカーユニットを試してみる事にしました。購入したのは中華メーカーSOUNDERLINK社製「3'' Full Range frequency Speaker 3 inch 90MM unit with aluminum bullet head」というユニット。AliExpressで送料込み約3,600円(ペア)。メーカーのスペック表を信じるなら、砲弾形金属ディフューザの効果で高域の指向特性が向上している(ように)見えます。

他にも候補として検討したのが、音工房Zのフルレンジ「Z-Modena MK2」(ペアで6,000円チョイ)や、そのOEM元となった台湾Tangband社製スピーカーユニット。これらも中価格帯で興味深いのですが敢えて中華メーカーに挑戦(苦笑)。なぜなら、この中華メーカーのOEM製品と思われるユニットが2倍近い値段で売られているので試してみたくなる訳です。 

・・・お気づきのように、当初こそ左右で僅か5,400円(税別)のスピーカーでしたが、アレコレと気になり始めると「沼」の様相を呈してきました・・・AliExpress活用で安価に済むようチャレンジしていますが、果たしてどうなる事やら。

 

次回、いよいよスピーカーユニット交換!?と思いきや、AliExpressの商品は届くまで1ヶ月は掛かるので、気長に待ちつつ、その間にターミナル端子をバナナプラグ対応型に変更する事としました。

吸音材を足したり引いたりする度にスピーカーケーブルを抜き差しするのが億劫になってきて、バナナプラグで簡単に着脱したいと考えた為です。そんな訳で次回バナナプラグ編に続きます。(つづく)