かんすぴ盆栽日記 〜 完成試聴編(V7.0)

DIY speaker build.

FOSTEXの出すDIYスピーカーキット「かんすぴ」を少しずつ弄っていこう、という連載「かんすぴ盆栽日記」の第7弾。いよいよ肝心の音を聴いてみることになりました。

 

採用したスピーカーユニットは前々回にご紹介したように、怪しい中華メーカーであるSOUNDERLINK社の「3'' Full Range frequency Speaker 3 inch 90MM unit with aluminum bullet head」というユニット。AliExpressで送料込み約3,600円(ペア)という激安品です(メーカーのスペック表)。 

金属製の砲弾型ディフューザーが特徴的なこのユニット。冒頭の写真にあるように「見た目」だけは実にソレっぽい佇まいで中々カッコ良いと思いませんか?

 

私がAliExpressで購入検討した際は、レビューが約80件で平均4.8点/5点満点と中々の高評価。一通りざっと評価に目を通したところ、低域は然程でないにせよ「中高域は明瞭」との評価が目立ったので買ってみたのですが・・・

・・・結論を言うと「あまり音が良くない」です(苦笑)。好みの問題もあるだろうし、私のセッティングがこのスピーカーユニットの性能を引き出せていないだけなのかも知れませんが、少なくとも私はにとっては良い音とは感じませんでした。

 

まず全体的に音が「引っ込んで」いるかのような、輪郭のハッキリしない音の感じ。音の定位感は其れなりにあるのですが、どうにも音全体が奥まった印象を与えます。

低域はAliExpressのレビューどおり出ておらず(そもそも1.86Lしか無い小型エンクロージャですので、そこは良いのですが)、レビューで高評価だったので期待した中高域の明瞭さに至っては私には艶やかさを感じない粗い音に聴こえました。

 

例えば音質の良さで定評のあるドイツのレーベル「ECM」が手がけた作品で私のお気に入りに米国人ピアニストのキース・ジャレットのライブ盤アルバム「THE KOLN CONCERT」(1975年)があります。

このスピーカー単体で聴いた時は「まぁ、こんな感じかな」と思えなくも無いものの、やっぱり残響とかサクっと消え失せるし、ライブ音源の広がりが感じられないので、うーん、、、やっぱ残念な感じです。


  

元のFOSTEX P800Kと比較した場合でも、明らかにP800Kの方があらゆる面で優れていました。やっぱFOSTEXって凄いんだな、と実感した次第(笑)。

良い音をストレートに目指すのであれば、FE83NVにするのが良いでしょうし、なにより私の目指す方向性ならP802-Sを素直に買った方が安上がりでもあります・・・

 

とまれ、見た目は今回の中華スピーカー、なかなか趣があって良い感じに凛としているのが気に入っているので、リビングに鎮座。ポッドキャストを聴いたり、映画を観るときの用途など、フルレンジ故の点音源なメリットを活かせる場面なら十分に役立ってくれる音質は担保できると考えます。

とりあえず一連の「かんすぴ盆栽日記」は”一区切り”とする事に・・・やや不完全燃焼。〔了〕