読書習慣のためのアナログ回帰

STARBUCKS.

約10年かけて完全デジタル化が完了した読書環境を、一旦アナログに戻していく試みを始めました。きっかけとなったのは次女への教育でした。


小学校に上がったのを機に、読書習慣を身につけさせたいと考えた私。書店に連れて行き「好きな本を買ってあげるから、本を読もう」と勧めたところで、そもそも読書週間が身についていない次女は戸惑うばかり。

先述のように本のデジタル化を進めたことで、家庭内で紙の書籍を手に読書している家族の姿も目にしていないのですから、次女が読書そのものに興味を持てないのは無理もない話です。

 

そこで、読書週間の醸成を目的に次女と1冊ずつ書籍を手に、近所の某シアトル系コーヒーチェーン店に向かいます。自宅のように様々な娯楽の誘惑が無い制約された環境の方が読書に集中できると考えたのです。

落ち着いた雰囲気の店内で読書をする他の客を目にすることで、読書のスタイルについても感じて貰えると期待した為でした。

 

SAKIKO - We went to STARBUCKS to read a book.

程なく辿り着いた某シアトル系コーヒーチェーン店は、ほぼ満席。コンクリート壁と木目が組み合わされたモダンな店内で、日没までの夕刻を過ごす人々。

そんな50人弱の客を見渡したところ、約7割は黙々とスマホを操作、約1割は連れ同士での会話を楽しみ、残り約2割が教科書とノートを広げて勉強に励む受験生と云った割合でした。 

・・・そう、ここで気づかされたのは、いまや”書籍”を広げて読書している人など誰もいなかったのです。

出版不況と言われて久しいですが、実際、紙の書籍は1996年をピークに、25年の間に半分以下の46%まで市場がシュリンクしています

こうした状況を見ると、カフェで書籍を広げている人が居ないのも頷けます。

 

私見ですが、カフェでスマホを弄る姿は、どうにも美しく無いと感じるのは私だけでしょうか。もしかしたら電子書籍で読書をしているのかも知れませんが、佇まいとしてスマホを手にしている姿よりも、タブレットや紙の書籍を広げている姿の方が数段、知的に見えると感じるのであります。〔了〕