"GR Monochrome" が ナンセンスな理由
リコーのデジカメ「GR」シリーズに、モノクロ専用機「GR Monochrome」登場を期待する声は以前から根強いですね。
今春、リコー傘下のペンタックスが「PENTAX K-3 Mark III Monochrome」なるモノクロ専用一眼レフカメラを出したことから「GR Monochrome待望論」が各所で再熱。
そうした声に改めて否定的な意見をしたのが、写真家・田中希美男氏です↓
このツイートが厄介な点は言うまでもなく「ある理由でやりたくてもできない」と、訳知りな感じで(しかしながら核心には触れず)遠回しに述べている点。
カメラ体験がフィルムから段階的に進んできた昭和世代な私としては、モノクロ撮影の醍醐味はファインダーで覗く世界は「総天然色」なのに、出来上がる写真は「モノクロ」というギャップに意味があると考えます。
レンジファインダーな「ライカMモノクローム」も、一眼レフ機の「PENTAX K-3 Mark III Monochrome」も光学ファインダーがあるから(撮影時はあくまで総天然色な世界を見て撮るから)こそ、出来上がってくる写真が陰影だけの世界で勝負するモノクロであることに価値がある訳で。
色鮮やかな眼前の風景が、そして光の陰影が、モノクロになることでどのような世界を描くのか。想像を巡らせてシャッターを切ることに価値のあるモノクロ体験において、光学ファインダーを搭載せずライブビューしか持たないGRで扱う意味を少なくとも私は見いだせません。
もし、モノクロームなデジカメを1つ叶えてくれるなら。私ならGRではなく富士フイルム「X100」シリーズを望みます。
X100なら光学ファインダーがついていますし、お得意のフィルムシミュレータで「ネオパンSS」だの「ネオパン100 ACROS」、「ネオパン ORTHO」等を取り揃えて切り替えて切り替えられればエッジの立ったモノクロ専用機になると考えますが・・・如何でしょう。〔了〕