斉藤由貴「ガラスの鼓動」
今年(2024年)レビュー40周年を迎える女優・斉藤由貴。私は彼此39年来のファンなのですが、女優業よりも「歌手・斉藤由貴」の熱烈なファンであったりします。
冒頭の画像はアルバム「ガラスの鼓動」のインサート(歌詞カード)。ソファーに並んで座る2人の斉藤由貴が印象的なのですが、1986年当時に発売されたレコード盤では下記のようにズレた配置となっています↓
どうやら制作者側としては、冒頭画像のようにピッタリとソファーが合致した写真に仕上げたかったのが意図せずズレてしまっていたようです。
そのことを知ったのは音楽プロデューサーとして斉藤由貴の作品に必ず名前が登場する長岡和弘氏(元・甲斐バンドのベーシストでもある)のブログ記事でした↓
「発売当時ホントはこのようにしたかったのですがデザイン校正の未熟さでこのように出来なかったのです・・・ようやく夢が叶いました。」
1986年当時、アルバム「ガラスの鼓動」は「レコード盤」の他に「カセットテープ」「CD」と3つの媒体で同時リリースされていますが、このソファの並びがようやく整ったのは23年後にリリースされた2009年のリマスター高音質HQCD盤ということのようです。
さて、斉藤由貴「ガラスの鼓動」は名盤中の名盤としてファンの間で長らく語り草となっているアルバムです。オリジナルのリリースは1986年3月。斉藤由貴として通算2枚目のオリジナルアルバムで、何度も復刻リリースされています。以下、系譜をまとめると・・・↓
1986年3月 :レコード盤/カセットテープ/CDの3媒体でリリース
1989年3月 :蒸着膜に24Kを用いた「GOLD CD」盤(音源は1986年同一)
2003年9月 :「斉藤由貴 CD-BOX 1」としてリマスタリング盤が収録
2008年7月 :ポニーキャニオン復刻シリーズ "Myこれ!チョイス" 「名盤アルバム+シングルコレクション」としてアルバム「ガラスの鼓動」にシングル曲8曲が追加される。
2009年3月 :デビュー25周年企画として高音質HQCD収録で再販。紙ジャケット仕様ながら歌詞カード等が1986年のレコード盤を再現した作りに。
2016年7月 :96kHz/24bitのハイレゾ配信開始に伴ってアナログのマスターテープから起こし直した新リマスタリング音源をUHQCD(Ultimate HQCD)に収録(44.1kHz/16bit)。更にボーナストラック「ささやきの妖精」を追加収録。
冒頭の画像は2016年盤(歴代で最も高音質な盤)。実際、最近のオーディオ機器で聴くに相応しい澄んだ音色になっており、1986年のオリジナル盤とは雲泥の差。名盤が鮮やかに甦ります(・・・斯様に再販を繰り返す度に往年のファンは買い増しを強いられる訳で)。
もしあなたが斉藤由貴の熱心なファンでは無いけれども昔を懐かしんで聴いてみたいと思ったら上記「ヴィンテージ・ベスト」(2013年)がお勧めです。
お馴染み往年の名曲が聴きやすくアレンジ&高音質化されていてオススメです(2024年2月時点でサブスクでは配信されていないのでCD限定ですが)。[了]