カメラ・ライティングの道は一日にして成らず
映画監督・黒澤明氏、いわずもがな海外でもその名を轟かす数少ない日本人の一人であります。中でも代表作「羅生門」では白黒フィルムにおいて強烈なコントラストを再現し、観る者に強烈な印象を与えます。
そんな黒澤監督が要求する映像美を実現させたのが、世界に名だたる映画カメラマン・宮川一夫氏。カメラ特性を知り尽くし、光を自在に操る計算され尽くした神業カメラワークがあってこその黒澤作品である訳です。
斯様に映像であれ写真であれ、焼き付ける「光の量」をコントロールする事が如何に重要で難しいか。レンズやカメラ本体をアレコレと買い換えるより、ライティングの術を身に付けた方が質の高い作品づくりに直接作用するとも言えます。
写真表現でのライティングでよく用いられるのが「ストロボ」(スピードライト)ですが、此れこそ身近にありながら極めて難易度の高い悩ましい装着。昨今は、Covid-19の影響から、人の少ない場所を好んで訪れるようになった事から(人の多い場所での使用が憚られる)ストロボ活用練習に挑戦しています。
冒頭の写真(SS 1/100、f5.6、ISO640)は日中シンクロによる撮影。太陽の光が眩しい奥側に対して、次女の立つ木陰とリゾートハットの影響で顔が暗くなるのをストロボが持ち上げてくれました。
ストロボ撮影ではタイミングを合わせる事が苦手で、続くカットでは不意を打たれたようなポーズとなってしまいました(SS 1/100、f5.6、ISO640)。
続いてはハイスピードシンクロ撮影。炎天下、突き刺さるような強い日差しを逆光気味にフラッシュ撮影(SS 1/2000、f5.6、ISO400)。
表情は明るく、瞳にキャッチライトも入れたものの、次女のスニーカーの反射板や遊具の鉄柱まで煌々と光ってしまう等、中々上手くは行かないものです。
個人的に「夏休みの課題」に掲げて試行錯誤を繰り返したフラッシュ撮影ですが、思うような成果は上げられず、未だ課題が解けていない劣等生状態。・・・まさにライティングの道は一日にして成らず、ですね。〔了〕