医療従事者で無い者がN95マスクを買う理由
上記画像は2020/11/23に撮影した某ホームセンターでの、園芸用品売り場。
「新型コロナウィルスの影響により、
今後の農薬散布商品の入荷は未定となっております」
事情を知らない人が目にすると、何のことか分からない文ですが、ここで言う農薬散布商品とは、農薬散布時に用いる防護マスクのこと。
先日の記事でも触れましたが、園芸用マスクは厚労省DS2規格を満たしており、即ちN95マスク同等レベルの性能を持ちます。
国内において、いまでこそN95マスクは医療従事者しか購入できない制限がありますが、パンデミック以前には100円ショップのダイソーでさえ取り扱っていた程。
それが新型コロナ感染拡大で需要が逼迫し、購入制限が掛かるようになりましたが、農業用や工業用は割と普通に入手できていました。
それが一転して、ここ2週間前からは上記のように品切れになっています。
医療従事者以外の人がN95マスクを購入する事には賛否あるでしょうが、緊急事態宣言の時ならまだしも、現在では医療機関で農業用・工業用マスクで代替しているという話も聞きません。
現在では、こうした(医療用では無い)農業用・工業用N95マスクについて言うならば、購入する行為自体に後ろめたさは無いでしょう。
とまれ、一般人が1枚360円する工業用マスクや、1枚430円程する園芸用マスクを必要とする理由の正当化は中々難しいものがありますが、それでも私は5〜6枚ほど常備しています。その理由は「飛行機での移動」におけるリスクヘッジです。
望まざる状況でも止むを得ず、飛行機での移動が必要となるケースがあります。そうした際に私はN95マスクを用いています。
飛行機や満員電車などの過密な公共交通機関における移動での感染拡大は確認されていないと言いますが、これは追跡可能性と因果関係の問題であって、下記の記事などを読むと相応のリスクがあると考えます。
上記リンク先の記事では、飛行機でのフライトといった乗客が密集し換気が十分でない危険なポイントでは常にN95以上のマスクを推奨しています。
その論理的な理由として、飛行機の空調システムにまで言及しており、記事に納得性あると感じた人はリスクヘッジ手段の1つとして悪くない選択肢と考えます。
最近、街中でもN95ではなくKN95マスクを装着する人の姿はチラホラ見かけるようになりました。KN95はN95相当のフィルタを持ちながら通常のマスク同様に耳かけ式であるため気密度が低く、医療用としては推奨されていません。
反面、手軽に装着できる事や、相応に密着させて付ける事で気密性もある程度は確保できる点から私も愛用しています。最近は100円ショップのダイソーにも1枚100円で売られているので、少しずつ市民権を得てきていると考えます。
このKN95然り、工業用・園芸用マスクなどN95/DS2マスクに共通する欠点は、常用するにはコスト高である事。そして気密性が高い故に1時間も装着していると酸欠で頭痛がする事でしょうか。
買い占めは不要ですが、5〜6枚あると「ここぞ」という時に役立つかも知れません。そんな「勝負マスク」として如何でしょうか。〔了〕
※参考資料:輸入されているN95のフィルター測定評価について(PDF)