935円の中華DAC。案の定、お金と時間の無駄だった件

AliExpressで購入したType-Cに接続するドングル式のDAC Adapter (Conexant CX31993/384kHz 32bit)

私は頻繁に中国大手のECサイト「AliExpress」で買い物をするのですが、嫌な思いをすることも少なからずあり、色々な意味で勉強になります。


先日、AliExpressにてドングル型USB-CのDACを購入しました。DACとは「デジタル-アナログ変換回路(Digital Analog Converter)」の事で、パソコンやスマホ等に装着することで、高音質に音を出力できるものです。

 

上記画像のDACも趣きとしては中々悪くない商品ですが、結論から言うと、ノイズが酷く使い物にならず(かといって海外通販の常で返品も容易では無いことから)泣き寝入りとなりました

やはり、リスクヘッジの意味でも、返品が簡単かつ負担なく可能なAmazon.co.jpで購入するのが無難ですね。また、その際の顛末から、つくづく”大陸の方々”とやりとりするのはパワーがいることだなと改めて感じた次第です。彼らの方が何枚も上手(うわて)でした。

 

AliExpressで購入したType-Cに接続するドングル式のDAC Adapter (Conexant CX31993/384kHz 32bit)

私が購入したのは「CX-PRO Audio A05 CX31993」という名で売られていたドングル型USB-C DAC。似た名前、似た仕様のはたくさんあり、この「CX-PRO Audio」というハイレゾマークを流用したようなロゴも、何かのブランド名というよりは、そこらへんの中華メーカーがテキトーに付けているようで実体ナシ。「CX31993」というのも製品名ではなく、Conexant製のヘッドフォンアンプCX31993(384kHz/32bit)が搭載されている事を意味しているに過ぎません。

因みに、Conexant(コネクサント)社は1980年代に誕生した米国の半導体メーカー。2017年に米国Synaptics(シナプティクス)社という主にパソコンディスプレイ等のハードウェアをOEMしている会社に買収されたので、5年程前から存在していません。

そんなConexant社のチップCX31003が今でも使われているのは、当時の余剰在庫なのか、廃品基盤から回収したリサイクル品なのか、それとも模倣した偽造チップなのか。いずれにせよ詳細は分かりません。

 

怪しさプンプンな中華製のドングル型USB-C DACですが(それが私にとっては魅力でもあるのですが(苦笑))、一時期Apple Musicがロスレス/ハイレゾ対応した際は2,000〜3,000円近くで売られていたこともあります。値段が落ち着いた昨今では1,500〜1,980円が相場でしょうか。そんな中、中国からの送料込み1,000円を切る935円という破格値だったので、思わず購入してしまったのが件のDACでした。

AliExpressでも評価が高かった(星4.9)ので購入してみたものの、残念ながらプチプチとノイズが載って使い物になりません

返品しようとセラーに連絡するも埒があかず。これ迄も様々な中華セラーと対峙して来ましたが、商魂たくましい百戦錬磨の彼らとやり合うのは時間の無駄なので、今回は諦めるようにしました。以下、セラーとの英文チャットの部分抜粋。

1つの問いかけに対し、返答がくるのは1〜2日後だから、やり取りに約1ヶ月を浪費しました↓


わたし:「プチプチとノイズが載る。返品&返金か、交換して欲しい」

セラー:「使っている端末のOSをアップデートしてください」

わたし:「OSアプデした。因みにmacOSでもAndroidでも同じ症状が出る」

セラー:「OSを再インストールしてみて下さい。PCやスマホ側の問題が疑われる」

わたし:「macOSでもAndroidでも、更に変換ケーブル経由のiPhoneでも同じ症状が出るの!」

セラー:「OTGアダプター経由でノイズが載ることがある。OTGアダプターのせいだ」

わたし:「・・・いや、だから、アダプターを介さないmacOSやAndroidでも同様なの!」

セラー:「ならば返品をしてください。不具合の状態が確認できたら返金します」

わたし:「EMS便で日本から送ると1,400円かかるんだけど、送料は誰の負担?」

セラー:「お客様の負担です」

わたし:「すると、935円の返金を受けるために、送料1,400円で送り返せと?」

セラー:「送料は私たちの問題ではありません。日本の郵便コストの問題です」

わたし:「返品しないで、交換の品を送って貰えないか?不良品のはこちらで処分するから」

セラー:「あなたが同意すれば私たちはあなたに再び商品を送ります。同意しますか?」

※〔Accept〕(=同意)もしくは〔Refuse〕(=拒否)の2択ボタンが表示される。

わたし:(お、交換品をタダで送ってくれるのね♪)では、Acceptをクリック、と。

セラー:「ありがとうございます。今回の取引に同意いただいて」

わたし:「ん?同意したから、商品を再送してくれるんだよね?」

セラー:「いいえ。お客様は今回の取引に同意した。だから返品を送ってください」

わたし:「だ・か・ら!935円の返金を受けるのに、1,400円支払うバカはいないだろ!」

セラー:「でも、お客様は”同意”しましたよね?」

わたし:「俺が同意したのは”交換の品を送れ、不良品はこっちで処分する”件だよ!」

セラー:「それは違う。お客様が同意したのは、返金を受け取るために返品をする件です」

わたし:「おまえ、何に同意するか明示してねーじゃん!同意したのはソッチじゃねーよ!」

セラー:「でもあなたは私たちの提案に同意しましたよね?なので無問題です」

わたし:「・・・・」

セラー:「ご協力ありがとうございます。Enjoy Shopping!」

・・・と、ここまで得たものナシ。彼らには勝てそうにありません。諦めました。たかが935円とは言え気分が悪いもんです。

 

参考までにマレーシアのポータブルオーディオマニアが個人運営するサイト「Andy.EF 」のレビュー記事より類似の中華DACに関する内容を抜粋します。

“Being this cheap, there’s potential QC issue and consistencies.”

「こんだけ安いと、さすがに品質管理上の問題もあるし、品質も一貫性がありません」

 

わははは。いやはや、まさにその通り。私はハズレを引きました。

たった数百円の差で似たものをAmazon.co.jpから(尚且つ安心のAmazon発送で)購入できますので、リスクヘッジの意味からも返品が容易なAmazonでの購入をオススメします。結局、私も買い直すハメになりましたからね。〔了〕

書籍「海外通販サイト英語術」の表紙とAmazon.co.jp商品詳細ページへのリンク