”最後の戦車” 10式戦車を体感
「最後の戦車」とも呼ばれる陸上自衛隊「10式戦車」を北千歳駐屯地で体感してきました。
現代戦において「最早、戦車は時代遅れ」と言われ、先進各国の次世代機開発も鈍っていた折。ロシアのウクライナ侵攻で重装甲と火力の必要性を見せつけられ、戦車の重要性と再評価が高まっています。
自衛隊が持つ最新鋭の「10式（ひとまるしき）戦車」は2012年度より配備が進んでいます。所謂「第3.5＋世代」とカテゴライズされる戦車で、作戦支援系システムとの連携等、高度な近代化が為されています。
各国、次期主力戦車の研究は進めているようですが、機動力の面やメンテナンス性の問題、果ては非対称戦のような局地的且つ正規軍同士では無い交戦条件を考えると戦車が時代遅れで、too muchな存在と認識され、開発スピードはかなりトーンダウンしているようです（ロシアや韓国は第４世代を、ドイツに至っては第５世代を開発していますが、実戦でのアドバンテージがどの程度かはやや疑問。また、射撃統制システムの飛躍的向上が期待されるAI搭載はもう少し先になりそうですね）。
さて、乗り心地も格段に進化したと評判の10式戦車ですが、駐屯地での体験搭乗の機会を得ました。戦車に乗ってデジカメを構えていると隊員より「振動でカメラ壊れても自己責任だからね！」と念押しされます。実際、壊れるんじゃないか！？と思う程のな強烈な振動で身体が芯から揺さぶられました。
5m程の至近で超信地旋回（スピンターン）のデモを見た際は、構えていたカメラのレンズに無数の小石がカンカンカンっ！と小気味良い音を立てて当たる始末。・・・これも“好き者”な私にとっては、むしろ”ご褒美”。
10式戦車は現在、全国に約100両が配備済みです。これに旧・第３世代の90式戦車の残存と合わせて2023年度末時点で合計・約300両を配備している旨が「令和６年版 防衛白書」で記されています。
かつて自衛隊には74式戦車だけで900両近くが配備されていた事を考えると隔世の感を禁じ得ません。
とまれ・・・戦車はロマンの塊！
10式を最後と言わず、技術継承の為にも国産主力戦車は継続開発して欲しいですね。［了］
