「僕のS席へ来てくれますか。」ビクター HR-S5000

 

ビクター「HR-S5000」のCM、「S席へどうぞ」

あなたにとって最も印象に残っているテレビCMは何でしょうか。私は1987年夏から放送されたビクターのS-VHSビデオデッキ「HR-S5000」のCMでした。


「HR-S5000」は1987年7月に発売されたビクターの上級機(17万8000円)。高画質S-VHS元年を代表する名機で、スッキリしたシンプルなデザインが印象的な美しいモデルです。

  

ビクター「HR-S5000」のCMの美少女。

CMではビデオデッキのデザインのように、シンプルで美しい少女が真っ直ぐにこちらを見つめているシーンから始まります。

次に場面はアトリエのような広々とした空間に切り替わります(冒頭の画像)。部屋にポツンと置かれたテレビとビデオデッキ。世良公則氏の声で「僕のS席へ来てくれますか。・・・S席へどうぞ」と囁く。

  

ビクター「HR-S5000」のCM

「S席」という言葉と映像から「特別な人と、プライベートな特別の時間を過ごす」、そんなイマジネーションが広がるCMだったのを記憶しています。

 

セルゲイ・ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲・作品43番・第18変奏」

とりわけCMのBGMが印象的で、ロシアの音楽家セルゲイ・ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲・作品43番・第18変奏」(1934年)が使われています。

聴いた感じ、ロシアの女性ピアニスト「ベラ・ダヴィドヴィチ」とオランダの交響楽団「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」が1981年に演奏した際の音源と推察しますが、詳しくは不明。ともあれ美しい旋律が記憶に刻み込まれました。


優雅な音楽と、広々としたアトリエのようなリビングに、美しい少女と、「S席へどうぞ」のフレーズ。バブル時代のCMは美しくロマンに溢れていて素敵ですね。今でも憧れます。〔了〕


※そんな印象深いCMの「HR-S5000」を希望したのですが、父が買ってきたのは松下電器(現パナソニック)「マックロードNV-FS70」(※1988年発売・当時17万円。編集機能が豊富な上、とにかく頑丈で2010年代まで普通に稼働したタフなビデオデッキ)でした。

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