偽Lレンズ

Canon FD135mm F3.5 S.C. (I) (1973) - DIY Canon L-lens (Red Ring).

世界で最も成功したブランドのひとつにメルセデス・ベンツが好事例としてよく挙げられます。


ブランドにおいて、大切となる「認知」において、幼稚園児でも分かる単純化されたスリーポインデッドスターと呼ばれる星の3本マークこそメルセデス最大の発明と言えるのでしょうね。

Three-pointed star.

同様にカメラ趣味世界でも分かりやすい認知戦略で知られるのが私も愛用するキヤノンです。残念ながらメルセデス程には万人に浸透こそしていないものの、カメラ趣味世界では「赤鉢巻」「白レンズ」といった一目で分かるラグジュアリーラインの存在感とアピール戦略は競合他社に比較してアタマひとつ差を付けていると感じます。

 

「赤鉢巻」とはキヤノンの高級レンズ群「Lレンズ」(Lはラグジュアリーの意)にのみ付けられたレンズの先端部分に付けられた赤いリング。初代Lレンズは1978年リリース「FD300mm F4L」。商品名の「L」文字とレンズ前側の「赤鉢巻」はここからスタートします。

私自身、所有するLレンズは「EF17-40mm F4L USM」と「EF24-70mm F2.8L II」ですが、遠目にも分かりやすいLレンズの証たる赤鉢巻を他の一般レンズにも付けて気分を盛り上げよう(?)という試みです。


Canon FD135mm F3.5 S.C. (I) (1973) - DIY Canon L-lens (Red Ring).

用意したのは1973年リリースの「FD 135mm f3.5 S.C.(I)」と、100円ショップDAISOで売られている赤いビニールテープ。

実際のLレンズの赤鉢巻幅に合わせて1.0mm幅程にするとリアルなのでしょうが、私はあまり気にせずレンズ側の貼り付けられそうな場所の太さに合わせてカットしました。


Canon FD135mm F3.5 S.C. (I) (1973) - DIY Canon L-lens (Red Ring).

こんな感じに仕上がりました。「FD 135mm f3.5L」とでも名付けましょうか(苦笑)。ホンモノと比較すると赤鉢巻のラインが太くて(x1.5倍位)違和感ありますが、1970年代の厚ぼったいデザインに合っているので悪くないかな、と。

実際のLレンズは前述のように1978年の「FD300mm F4L」からなので、この年代に赤鉢巻Lレンズはあり得ないのですが、それも含めてジョークという事でご査収下さい。

 

PowerShot G1X + DIY Canon L Lens (Red Ring).

調子に乗って愛用のコンデジ「PowerShot G1X」にも赤鉢巻ラインを入れてみました(苦笑)。ちょっと気持ち太かったかな?

実はPowershotにも、かつて「PowerShot Pro1」(2004年)というコンデジには赤鉢巻ラインが入っていました。コンデジなのにLレンズとは随分な話しですが、実際にUDレンズや非球面レンズ更には蛍石が採用される等、豪華仕様で”L”の赤鉢巻は伊達ではありませんでした。

ただPowerShot Pro1も後継機種が出る事なくシリーズが終わってしまい、以降はコンデジにLレンズの名称が付くことはありません(因みにProシリーズ、初代はPowerShot Pro70(1998年)、2代目はPowerShot Pro90 IS(2001年)。Pro1はシリーズ3代目にあたります)。

そんなPowershot Pro1に想いを寄せたG1X、という感じで付けてみた次第です。

 

物理的な性能には1mmも寄与しませんが、ちょっとしたジョークとしてお愉しみいただければ幸いです。〔了〕