1968年製キヤノン「FL 50mm F1.4 II」オールドレンズでの動画撮影
写真撮影では切れ味の鋭い描画が好みのため、いわゆるオールドレンズと呼ばれるフィルムカメラ時代のレンズを用いることは殆ど無いのですが、動画撮影については、その滲み具合を面白がってたまに活用しています。
上記は、長女が演奏するピアノをキヤノン「EOS 7D Mark II」(APS-C機)で撮影した時のもの。レンズは1968年にキヤノンがリリースした「FL 50mm f1.4 (II)」を用いて撮影しました。
そんなオールドレンズをEOSに装着して撮影したのが上記の動画。FL/FDマウントをEFマウントに変換するマウントアダプターを介しているのですが、フランジバックの関係で補正レンズがアダプターに入っています。この補正レンズの影響を結構受けていて、絞り開放〜更に2段絞ったf2.8位までは上記のように滲んだ感じなってしまいます。
この時、絞りは開放f1.4で撮影しているので、滲みが酷いのですが、逆にそれがなんだか不思議な雰囲気となって良いかな?と敢えて開放にしてみた次第です。
上記動画は曲名字幕こそ入れていますが、カメラ撮影部分は”撮って出し”の無加工。演出としてオールドレンズ(と仲介するマウントアダプター)の欠点を活かしてみました。
カメラはEOS 7D Mark IIというASP-C機のため、レンズの焦点距離50mmは換算1.6倍で約80mm相当に、絞り値はf1.4で撮影したので、ボケ量としてはフルサイズ機(35mm判)換算で約f2.0相当になります。
前述のようにマウントアダプターの影響で、このレンズは最低でも絞りはf5.6、実際にはf8.0位まで絞らないと滲み等の関係から実用的では無いのですが敢えて開放f1.4で撮り、滲みを引き出そう、という遊びも面白いですよ(苦笑)。
「FL」という聞き慣れないレンズマウントかと思いますが、キヤノンが1964年から1971年の間に用いていたマウントです。このFLマウントの後に1971年から続いたのが「FD」マウントで、こちらは馴染みある方も多いと考えます。
簡単に言えばFLマウントにTTL開放測光用絞り連動レバーをつけたのがFDとなりますが、FL時代のスピゴットマウント(カメラとレンズを接合後に締め付けリングを回して固定する方法)のままなので上位互換(=FLレンズはFDレンズの使えるカメラでも使える)があります。
レンズそのものの性能はともあれ、50年以上も経過したレンズが、今だにこうした遊びに活用できるという点からも「レンズは資産」「レンズは一生モノ」というのは強ち嘘では無いようですね。〔了〕