無限に戦える感覚、USBバッテリーチャージャー
1980年、雑誌コロコロコミックに掲載された「ドラえもん のび太の恐竜」。それまで短編で完結していたドラえもんを壮大なスケールで描く大長編シリーズの第1作目であり、最初の劇場版アニメの原作となった作品です。
この「のび太の恐竜」は、ドラえもんの持つ未来の魔法のような道具たちが、とても心細く描かれているのが印象的です。その代表例がご存知「タケコプター」。「のび太の恐竜」では、北アメリカから日本までの果てしなく途方も無い距離をタケコプターで進むのですが、タケコプターは充電式電池を搭載しており、8時間連続駆動が限界とのこと。物語では、バッテリー残量との過酷な戦いが描かれます。
バッテリーを搭載したガジェットに囲まれた昨今。台風や地震のような天災や原発事故のような人災、さらにはパンデミックなど幾多の困難をサヴァイブする現代人において、バッテリー残量は時に生命線となる最重要な要素の1つとなっています。
生死にこそ影響は無いものの、デジタルカメラにおけるバッテリー残量はカメラ趣味人たちにとって常に頭の痛い課題であり続けています。あたかも等比級数的に容量を急拡大するメモリーカードに比べ、バッテリー残量の心許なさは10年経っても大きなパラダイムシフトはありません。
そうした中で1つのソリューションとも言えるのがUSBバッテリーチャージャーです。今回、私は愛用する高級コンデジ「PowerShot G1X」で用いられるバッテリーNB-10Lに対応したUSBチャージャーを購入しました。
いわゆるマイクロUSB接続で充電できるこのUSBチャージャーがあれば、モバイルバッテリーで外出先でも充電ができます。
これでPowerShot G1Xで撮影を愉しむ際、最初は純正NB-10Lバッテリーで撮影し、充電残量が尽きたら、このUSBチャージャーでモバイルバッテリーから充電しつつ、安価な互換バッテリーで暫く凌いだり、カフェで休憩。気づけば最初に切れたバッテリーが無事、充電完了している、という優れもの。
このサイクルを繰り返せば、メモリーカードの最果てまで撮り続けることができる、実に心強いアイテムです。
どんなに道具が便利になっても、その動力源であるバッテリーがネックになってくる。
40年前、残量表示さえままならなかったニッケル・カドミウム電池くらいしか充電電池が実用化されていなかった当時に、その本質を見抜いていた藤子不二雄の凄さを改めて感じました。〔了〕