NS-B330、スピーカーにこれ以上なにを求めるのか


我が家では、リビングのメインスピーカーを定期的にローテーションしているのですが、ここ最近はヤマハ「NS-B330」が担ってくれています。


左右2本ペアで定価50,600円(税込 ※2022年3月に47,300円→50,600円に価格改訂)の中級機モデル。改めて聴いてみて、とても音色の美しいスピーカーだと感じます。

 

一般的な日本の住宅事情を考慮すると、この「NS-B330」は必要にして十分すぎるベストチョイスであると考えます。

若干、外観デザインに好みが分かれるところですが(私はあまり好きでは無いのでサランネットを付けて隠していますが)音質はこれ以上なにを望むのか?と感じる程の素晴らしさ。

 

スピーカーはNS-10M以来の「ヤマハ好き」なので、同社ラインナップから購入検討していたのですが、購入時は折角なので、昨今話題な他メーカーの機種も交えて試聴コーナーで(小一時間)試してみました。

お気に入りの音源を持ち込み比較したスピーカーは以下機種です↓



ヤマハ NS-B750 (ペア 105,600円)

試聴した中でNS-B750が最も音の解像度と立体感が高く、他モデルより頭ひとつ出ている感がありました。予算的に10万円以下が希望だったので、実売価格でギリギリ許容範囲ですが、見た目の奇妙な台形状のカタチに抵抗があります・・・。

  


ヤマハ NS-B330 (ペア 50,600円)

ヤマハのラインナップで最もスタンダードな中級機「NS-B330」。前述のNS-B750には劣るものの、音の解像度が高く、最もコスパが感じられる製品です。ただ、ツイーター部分の意匠は私の好みではありません。

 


KEF Q350 (ペア 85,800円)

イギリスのスピーカーブランドKEF社の(一見すると1wayに見える)2wayスピーカー「KEF Q350」。音が前に出てくるような立体感が印象的でしたが、ヤマハ2機種に比べると解像度は劣る感がします。

 


DALI OBERON3 (ペア 117,700円)

デンマークのスピーカーブランド DALI社のスピーカー「OBERON 3」。実売8万円チョイ。よく言えば「優しい音」ですが、私の好みではありませんでした。外観はインテリアに馴染むスタイリッシュさがステキ。音源を主にアナログ盤を聴く人には雰囲気もあって良い選択肢と感じます。




JBL 4309 (ペア 220,000円)

世界を代表する米国の一流ブランドJBL社のスタジオモニター「JBL 4309」。予算外だったものの、ネット上ではどこを見てもすこぶる高評価。「どうせ買うなら一生モノなスピーカーを検討しても良いカモ」と考えて試聴してみました。低音の厚みはさすがJBLですが、私は音の輪郭がもっとハッキリしたのが好みなので、求める音色とは違いました。

 

・・・わかってはいた事ですが、結局のところ好みのヤマハに落ち着き、NS-B750NS-B330の二者択一となります。

 

音は明らかにNS-B750が頭ひとつ抜けているものの、NS-B750(ペアで実売9万円)NS-B330(実売4.5万円)では2倍の価格差があって悩ましい限り。最終的にはNS-B750の外観形状が好きになれず、トータル性能でコスパモンスターなNS-B330にしました。

 

幸い、NS-B330は人気機種のようで、中古相場で良い値が付きます。

もしNS-B330を自宅リビングで聴いてみて不満が出たら、NS-B330を下取りに出し(相場3万円)、中古で程度の良いNS-B750(相場5〜7万円)への乗り換えも可能な事を考えると、新品のNS-B330購入が最も良い選択肢に思えてきます。

 

YAMAHA NS-B330 speakers has pros and cons in its exterior design. However, there is no disagreement about its sound quality.

私が購入したNS-B330の色はウォルナット。バッフル面はピアノ塗装され質感の高さが魅力です。

ただ、ネット上でも賛否あるのがツイーター部分の意匠。ウェーブガイドホーンと名付けられたツイーターを囲み、音の指向性をコントロールしているシルバー部分のデザインが、どうにもいただけません。

いかにもデザインとして癖が強すぎる感があります。

その為、最近は常時サランネットを装着してウェーブガイドホーンが視界に入らないようにしています。この際、サイドからチラ見えするピアノ塗装が意外な程に上品で、結果としてデザイン面での不満も消えました。

 


もしNS-B750を選択していたら、あの台形はサランネットでは隠せないので、常に不満に思っていたかも知れません。インテリア的に見ても伝統的なスピーカーの姿に近いNS-B330を選んで正解だったと考えます。

因みに、この「ウェーブガイドホーン」が最初に搭載されたのは、2001年に発売された「YAMAHA NS-4HX」に代表されるHXシリーズと記憶しています。そして、NS-4HXではウェーブガイドホーンがアルミダイキャストで成型されていたのに対し、NS-B330では樹脂製に変わっています。

樹脂製であっても塗装がうまくされているので、外観上はアルミダイキャストと区別が付かず、安っぽさは無いものの、伝統的なスピーカーの外観からやや逸れてしまう点から私は好きになれずにいます。

  

さて、肝心なNS-B330の音質について。私が好んで聴くポストクラシカル系/クラシカルクロスオーバー系のピアノ曲によく合う上品で繊細な音色を奏でてくれ、とても満足しています。

見た目こそ気に食わないツイーター部分のウェーブガイドホーンですが、確かにこのおかげで少し指向性が狭まり、決して広くない我が家のリビングで聴くには、とてもうまく機能してくれていると感じました。

 

もしアナタが好んで聴く音源が(アナログ盤ではなく)私と同様にCDやサブスクのロスレスやハイレゾ音源で、精細で解像度の高い澄んだ音色を好むのであれば、ヤマハNS-B330は真っ先に購入候補に挙げるべきと考えます。

 

「秋の夜に 静かに響く 音の調べ」 ・・・字余り。〔了〕