なぜEOS Rのデザインに嫌悪感を感じるのか

Canon EOS R.

私はキヤノンのカメラ「EOS R」を愛用しています。他にも幾つかキヤノンのAPS-C機やコンパクトデジカメを持っていますが、やはり描画性能においてはフルサイズ機であるEOS Rの懐の深さが際立ちます。


このように、とても気に入って使っているEOS Rですが、一点だけ強い強い不満があります。それはカメラボディの「デザイン」。はっきり言ってカッコ悪い・・・というレベルを飛び越えて、私としては「生理的に受け付けられない」レベルに”嫌悪感”を抱く醜いデザインだと感じています。

かれこれ2年近く使っているのですが、ホントに気持ち悪い。

 

なにがそれ程までに嫌なのか。EOS Rの購入以来、ずっとモヤモヤしていた嫌悪感の言語化を試みたのが、この記事です。


上記、EOS RR5までのモデルを並べてみました。こうして並べてみても、EOS Rの異形さが際立ちます。

共通のデザインとして「Canon」ロゴが刻印されたファインダー部分の山からボディの左右に流れていく角度として、向かって右側が下側に来るようになっています。

これはEOS Rシリーズに限った話ではなく、一眼レフ時代のEOSからの伝統なのですが、一見してEOS Rの左右不均衡さが目立つのは傾斜する”肩”に相当する部分が、EOS Rはエッジが立っていて殊更に”悪目立ち”している為と考えます。

キヤノン公式サイトの説明では、

ファインダー部を頂点として、フラットな両肩が緩やかに下がる姿は、このカメラが「ファインダーを覗いたまま撮る機器」であることを、無言のうちに主張している

との事ですが、そんな主張は微塵も伝わってきません。

前述のように、フラットな両肩の稜線はエッジが効き過ぎている為に、他機種では気にならないアンバランスさが悪目立ちしています。

 


他にも「Canon」ロゴが刻印されたファインダー部分が必要以上に細まっているのが、はっきり言って「気持ち悪い」です。・・・そう、まるでネオ一眼カメラのような安っぽさとニセモノ感が漂います。


旧来の一眼レフ時代は堂々と大きく刻印されていたロゴですが、EOS Rに限っては奇妙に細まった先に小さくCanonと彫られていて窮屈さを感じるばかりか、横から見るとファインダー部分の盛り上がりに奇妙で無意味な波状デザインが施されています。

この波状デザインが実に気持ち悪いのは、うねった波の行き着く先の処理が適切に為されていない為と考えます。躍動感を持ったうねりを付けたデザインは、その躍動するベクトルを受け止める側が必要となります。

例えばスポーツカーの曲線美は、リアのテールランプ部分やサイドに大きく開けられたホイールアーチ部分がそのベクトルを受け止める役目を果たしてくれますが、EOS Rの場合(ファインダー側はともかく)フロント側はCanonロゴ部分とコンフリクトしてしまいます。

ファインダー部分の飛び出し具合は、まるで間抜けな面構えの小動物が首を伸ばして周囲を伺っているかのような様相である他、ロゴの上下左右に適切な余白が無いため、とても窮屈さを感じ、余計にロゴの小ささが悪目立ちするのです。 

このような全体的に落ち着きの悪い不均衡さが、様々な点で”悪目立ち”している点が「生理的に嫌悪感を抱く程の気持ち悪さ」に繋がっていると私は考えます。

 

因みに、冒頭で述べたように描写力は素晴らしいですし、ボディそのものもグリップの握りやすさ&安定感、筐体そのものの剛性感、表面の梨地のような手触りの良さや質感の高さは素晴らしいです。それだけに残念でなりません・・・〔了〕