Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その4)

ライカMマウントのレンズ「7Artisans 50mm F1.1」

かれこれ4回に渡り掲載の「7Artisans 50mm F1.1」ですが、遅ればせながら肝心の実写について紹介します。


一言で表すなら、兎に角クセが強いレンズです。以下、全て作例は”敢えて”の絞りF1.1の全開放で撮影しています。このレンズを使う醍醐味は開放F1.1であり、それ以上でもそれ以下でも無いと考える為です。

 

ライカMマウントレンズ「7Artisans 50mm F1.1 」での作例

(F1.1 , 1/4000 , ISO400)

明るいレンズ故に、夜間の撮影が楽しいです。フィルム時代の感覚でISO400固定にして撮影するも、F1.1では其れでも明る過ぎてシャッタースピードは1/4000まで上げています。

これは以前の記事でも紹介しましたが、私が後遺症によって手の震えが生じるようになってしまった為、シャッタースピードを極力あげたい動機によるものですが、それにしても凄い値です。

 

ライカMマウントレンズ「7Artisans 50mm F1.1 」での作例その2

(F1.1 , 1/800 , ISO400)

美しい花屋のディスプレイ。開放では輪郭が滲みがちですが、こういう場面では目立たなくて良いですね。ガッツリ四隅の落ちる周辺減光も、夜に撮れば良い感じに仕上がります。

 

Bokeh.ライカMマウントレンズ「7Artisans 50mm F1.1 」での作例その3

(F1.1 , 1/30 , ISO400)

玉ボケ具合を見てみましょう。中心部こそ綺麗ですが、少し中心から外れると盛大に四隅に流れが生じているのが分かります。これを欠点と取るか、特徴と捉えるかで、このレンズとの相性が見えて来そうです。玉ねぎ状のボケ(年輪ボケ)ばかり目にする非球面レンズ全盛の昨今、こういうボケ味も新鮮で良いですね。

 

Fence.ライカMマウントレンズ「7Artisans 50mm F1.1 」での作例その3

(F1.1 , 1/8000 , ISO100)

中心のフェンスに焦点を合わせています。合焦した中心のフェンスでも相応の滲みが出ていますね。これを許容できるかどうか。私は気になりません。

・・・むしろ開放F1.1では周辺減光が激しすぎ、まるでInstagram等のアプリで加工したかのような”わざとらしさ”が出てきてしまう感は否めず。

 

Piquitos MOSCATO.ライカMマウントレンズ「7Artisans 50mm F1.1 」での作例その4

(F1.1 , 1/250 , ISO400)

飲みやすくて安価なお気に入りのスペインワイン。焦点工房のヘリコイド付きマウントアダプター「SHOTEN L.M-C.R」を使って最短距離を縮めて撮影しています。

7Artisans 50mm F1.1」は最短距離0.7mと、一般的なライカMレンズの最短距離1.0mよりは短いですが、それでもテーブルフォト系では、やや長いです。そのため、ヘリコイド付きマウントアダプターが必須です。ガッツリ落ちる周辺減光と、強烈なボケは、散らかった部屋での撮影時に捗ります。

 

このように、全体的にとてもクセの強いレンズですが、私はそのクセの強さに惹かれて購入しました。

尤も”回り道”したくない人には、素直にメイドイン信州中野なコシナ製Voigtlander「NOKTON 50mm F1.1」をお薦めしますが、価格も安価なので「モノは試しに・・・」と7Artisans 50mm F1.1を購入してみても損は無いと考えます。私はとても気に入りました。〔了〕

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