モーニングコーヒー飲もうよ。
オーディション番組をベースとした女性アイドルグループ「モーニング娘。」。当時(1997年)珍しかった選抜過程を赤裸々に写すリアリティショー形式が話題となりました。
「モーニングセットのような色々と詰め合わせたお得感」を由来とするグループ名は不思議な語感の良さと相まって、広く世間に浸透します。テレビが圧倒的な発信力を持っていた時代、世間に共通の認知と注目を集めた最後のグループだったのかも知れません。
メジャーデビュー曲「モーニングコーヒー」は爽やかに、初々しくも生々しい男女の「初めての朝」を歌っています。男性からの誘い文句「モーニングコーヒー飲もうよ、二人で」に対し、女性側も「ねえ、うなづくわよ」と応える。平成初期の男女観溢れる一曲ですね。
早起きした休日、モーニングセットを食べにカフェに行くのが好きなのですが、そうした席で初々しい男女ペアの姿を見かける度にこの曲が頭の中で流れてきます。
この日、モーニングセット目当てで訪れた星乃珈琲店。シニア層を主要ターゲットと定めるだけあって男女ペアは前期高齢者層ばかり。
若い男女のような初々しさは無くとも素敵な光景ですね。自分もそうした健康で穏やかな老後を目指していきたいものですが果たして。
モーニング娘。がデビューした1997年の大卒者退職金平均額2871万円に対し、20年後の2017年時点で既に1788万円と約38%減。65歳定年と併せ、「ほぼ一生働く」時代には、モーニングコーヒーをゆっくり愉しむのさえ難しくなるのかも知れません。
・・・こんな日本になったのは一体、誰のせいなのか。[了]