札幌の朝は「MORIHICO.」のコーヒーから

宿泊施設側にて食事提供を行わない「泊食分離」の宿泊特化型ホテルが増えています。
インバウンド需要の高まりを受け、2017年には観光庁も泊食分離を推進します。いわゆる”素泊まり”形態を観光向けホテルに適用したものですが、観光客とっては現地の美味しい料理を自由に愉しめるメリットが、ホテル側にもコスト削減や連泊客の増加にも繋がる等のメリットがあるとの事。

泊食分離のホテルではエントランス部分に洒落たカフェや居酒屋を併設するケースも増えています。そうしたカフェのひとつ「MORIHICO.STAY&COFFEE」に妻と行く機会がありました。
このカフェは札幌中心街から少し離れた場所にある泊食分離なホテル「HOTEL POTMUM stay&coffee」に併設され、冒頭の写真にあるように高い天井による開放感が特徴的です。
地元・札幌で人気にカフェ「MORIHICO.」の系列店であり、朝7時からオープンしているので、宿泊客は朝食がてら美味しいコーヒーを味わうことができます。

店内を見渡すと、パイオニア製の大きなトールボーイ型スピーカー「Pioneer S-1000 Twin」(1989年)が静かにクラシック曲を奏でていました。
このスピーカー「Pioneer S-1000 Twin」は縦に伸びたスピーカーキャビネットの容積を活かした豊かな低音再生が可能なトールボーイ型。発売当時は1本22万円もする高級機ですが、設置場所が限られる為か中古市場では意外に安価で売られていたりします。

DENONのターンテーブル「DP-75」を「DK-2000」と思われるキャビネットに組み込んだレコードプレーヤーが置かれていましたが、こちらは使われていないようでフォノイコライザーも外された状態。
周囲にアンプやプレイヤーの類が見つけられなかったので音源は不明でした。

また、店内には多くの本が並んでいましたが、正直セレクションはイマイチな印象。
せっかくホテルに併設されているのですから、北海道や札幌に関連した書籍や旅情を感じる選書など特徴を出しても良かったのでは?と感じた上、セレクトした人の拘りが見えて来なかったのが残念でした(私、これでも元・書店員なものでチトうるさいのでアリマス)。
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同種のカフェとして、札幌中心部の泊食分離なLAMP LIGHT BOOKS HOTELに併設されたカフェがありますが、こちらは選書に拘りとセンスを感じる店でした。

「LAMP LIGHT BOOKS CAFE Sapporo」の選書は、「旅」と「ミステリー」をキーワードに約4,000冊の本が並べられており、とてもセンスを感じます。

カフェは24時間営業ですが、深夜0時〜朝7時までを宿泊者のみの限定利用とし、深夜にゆっくり読書を愉しんで貰おうとしているのも良いですね。
尚、このカフェに置かれた本は売り物なので(所謂ブックカフェ形式なので)ミステリー小説など続きを読みたい場合はそのまま購入して帰りの旅路にも愉しめるのもステキです。
LAMP LIGHT BOOKS CAFE Sapporoも(前述のMORIHICO.STAY&COFFEE同様に)札幌で人気のカフェ「MORIHICO.」のコーヒーを扱っているので味も確かです。

とまれ、いずれのカフェがそうである様に、札幌の朝は「MORIHICO.」のコーヒーから始まるのであります。[了]

※補足情報:地元・札幌で愛される「MORIHICO.」のコーヒー
札幌のコーヒー文化及びカフェを語る上で欠かせないのが「MORIHICO.」(モリヒコ)。1996年に札幌・円山エリアに創業したカフェ「森彦」は、スペシャルティコーヒーの先駆けとして、札幌のカフェシーンを盛り上げてきました。
MORIHICO.のコーヒーは、世界各地から厳選された豆を使用するのが特徴。一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れられるスペシャリティコーヒーです。香り高く、奥深い味わいのコーヒーは多くの愛好家を産んでいます。
また、コーヒーに加えてスイーツも充実しているのがMORIHICO.の特徴。コーヒーと相性の良いスイーツは、季節ごとに変わる限定メニューもあって人気です。
いまや札幌市内に11店舗を構えるMORIHICO.ですが、店舗はそれぞれ異なるコンセプトを持っているのも特徴で、その日の気分にあわせて店舗を選ぶのも趣があって良いです。
MORIHICO.は、札幌のカフェ文化を支える存在として外せない存在。札幌に来られた際は、ぜひ一度訪れてコーヒーの味と心地よい空間を体験されることをオススメします。