S.M.S.L「SDB」は魔法の音色を奏でてくれる
中華オーディオ、S.M.S.L社の小型アンプ「S.M.S.L SA300」を購入しました。Amazonで17,000円弱の安価なBluetooth搭載デジタルアンプです。
安価な割に音が良いと評判は良く目にしていましたが、SA300の奥行き方向に長さのある形状が好みでなく、長らく購買欲は湧きませんでした。
しかし、テレワーク環境の卓上「箱庭オーディオ」用としてNS-10MMTと組み合わせて使うアンプとしては机のデッドスペースにちょうど収まるサイズ感であることが分かり、いまでは気に入って使っております。
以前も記事にしましたが、リビングではS.M.S.L社の小型アンプ「DA-8S」を愛用しています。このアンプが気に入っているのは、S.M.S.L社が独自に搭載するEQプリセットである「SDB (S.M.S.L Dynamic Bass)」の音色が大変気に入った為です。
詳しくは上記に記載していますが「SDB」にモードを切り替えて再生すると、音がまるで違って澄んだ広がりのある音色になるのです。
本来的なHi-Fi道からすると”外道”なのかも知れませんが、S.M.S.L社の「SDB」愛好家は世界中にいるようで、ネット上でも多くの意見を目にします。
この「SDB」は特許技術とのことで詳細がベールに包まれています。S.M.S.L社が公表する一般的な情報によると、高音と低音を調整し音楽の最適化を行う技術とのことです。これだけなら古の時代から存在するラウドネスコントロール(小音量時に低音域と高音域を増強する補正回路)と同じように思えます。
しかし、ネット上にある一部の情報には「SDBは音の信号をリアルタイム解析して演算処理によって周波数特性や位相特性を最適化しているのではないか?」という俄には信じ難い言説も飛び交っています(!)。もしこれが本当なら・・・革命的なEQといえます。
この疑問について、オーディオ機器について科学的測定を根拠としたレビューを軸とするサイト「AUDIO SCIENCE REVIEW」の記事において興味深い測定結果が発表されていました。
上記サイトでは「SDBは動的な処理をしているのか?」について測定を行ったところ、SDBは動的な処理では無く、あくまでFIXされた値である、と周波数特性を示して結論づけています。(こちらの議論でも結論は同じのようですね)
「SDB」はとても素晴らしい音色を奏でてくれるため、まるで魔法のようにリアルタイム演算処理でもしているのではないか?と期待したくなりますが、単なる気の利いたEQ設定だった、という事のようですね。
尤も、よく考えてみたら、もし本当にリアルタイム演算処理で音色を最適化していたとしたら、その機能こそ大々的に謳い文句としてアピールするでしょうからね。
とまれ、私は「SDB中毒」にどっぷりハマっております。SBDを搭載したS.M.S.Lのアンプ、お薦めです。〔了〕