厳かな「古式大的式」

The Hokkaido Shrine Festival.

北海道神宮の例祭(例大祭)にて「古式大的式(こしきおおまとしき)」を観てきました。

毎年6月14日〜16日に開催される日程のうち、15日「例祭」の朝に行われます。北海道内で弓の儀式が行われるのはこの機会のみで、私も初めて観ました。

The Hokkaido Shrine Festival.

「大的式」(おおまとしき)とは除魔の意味を込めて行われる公家の儀式。古くは平安時代から続き、混乱の戦国時代に一時的に途絶えるものの江戸時代に復活します。

現代の公家(朝廷に仕える貴族や上級官人)に相当する人たちは弓を嗜んでおりませんので、この日は札幌弓道連盟の方々が参加しています。

 

The Hokkaido Shrine Festival.

距離21mに配置された直径90cmの的を6人の射手が2本ずつ弓を放ち、結果を日記役が記帳していきます。あくまで除魔の儀式な為、射手で点数を競って誰が優勝!等は無し。

 

The Hokkaido Shrine Festival.

加えて興味深い事に射手1人ごとに助手の「介添」が1人付く上、放った矢を回収する「矢取り」が1人付く他、前述の日記役等を合わせると総勢24人もの編成に。

 

The Hokkaido Shrine Festival.

的の中心部を射抜いた際は観覧者から大きな響めきが聞こえますが、基本的に儀式である為、1つ1つの所作に意味があり其れらが丁寧に時間を掛け静かに執り行われます。

そうした静かな空間に“ヒュッ”と空気を切り裂く放たれた矢の風切り音が印象的でした。

 

The Hokkaido Shrine Festival.

格式高い古式大的式、滅多に観られるものではありませんので(わざわざ)機会を作っての観覧をお勧めます。[了]

 

書籍「凛として弓を引く」表紙