Uマチックの想い出

Miyanomori Studio.

その昔、Uマチックのビデオカメラとデッキを使う機会がありました。


30年以上前の高校時代、部活動で放送部で活動していた頃に部室の奥に鎮座する「U-matic」ロゴの付いた巨大なビデオデッキと古めかしいビデオカメラを見つけます。先輩部員に聞けば昔に使っていた機器とのこと。


試しに昔に撮影されたであろう部室にアーカイブされていたテープを棚から引っ張り出して観たところ、思いのほか良質な画質で驚いたのを覚えています(上記画像は私が高校生だった1992年当時の部室より。我ながらよく残っていたものです・・・)。


(当時の部室より。画像には写っていませんが機材にUマチックもありました)

Uマチック(U-matic/U規格)は1971年に発売されたビデオ規格。はじめてテープが剥き出しのオープンリール式から、ケースに収納されたカセット式になった装置で、民生用もリリースされるも家庭には普及せず基本的には業務用プロ仕様でした(当時は様々な規格が乱立していました)。

 規格  水平解像度  製品発売年
アナログTV放送  330〜360本  1953年
U-matic(U規格)  260本  1971年
ベータマックス 240本  1975年
VHS 240本  1976年
8ミリビデオ 240本  1984年
U-matic SP 340本  1986年
S-VHS 400本  1987年
EDベータ 500本  1987年
アナログ衛星放送 436本  1989年
Hi8 400本  1989年
DV 500本  1995年
DVD (DVD-Video) 500本  1996年
Hi8 (XR) 440本   1998年
Digital 8 500本  1999年

アナログ放送時代に画質の指標として「水平解像度」が用いられていました(上記の表を参照)。アナログテレビ放送における受信テレビ側の水平解像度は330〜360本程度(NTSCのTV本)、アナログ故に画質は放送局のカメラや送信設備、受信環境等の複合的要因によって大きく左右される時代でした。

数値上、Uマチックの性能はVHSより僅かにマシ程度なものの、色滲みの少なさ等から数値以上にUマチックの映像が綺麗に観えた印象です。

 

使われていたカメラ(型名など詳細は失念)も70年代からの撮像管方式(別記事で触れたコメットテールが美しいアレ)。既に民生機では80年代後半以降はCCD機が主流を占めていた為、私も初めて触れた撮像管カメラによる撮影は独特な滑らかさを持つ映像が新鮮でした。

そんなUマチックの想い出、30年ぶりに思い出した次第です。[了]

(※冒頭のビデオカメラはUマチック機ではなく業務用ベータカム機)