レコード盤を手にCDで鑑賞

MORIHICO.STAY & COFFEE.

アナログレコード盤(ビニール盤)のジャケットやライナーノーツ(歌詞カード)を眺めながら高音質なCD音源で聴くスタイルが、私にとって音楽鑑賞の最適解となりました。


Z世代の若者にレコード盤の人気が高まり、CD媒体衰退に歯止めが掛からない状況は以前に別記事でも紹介しました


回転ムラによる周波数変化のワウフラッター、盤面の傷や埃などの影響で生じるプチノイズ、盤面の外周と内周での音質差、等々レコードの欠点が寧ろZ世代にとっては新鮮さと物質的リアリティとしてポジティブに(!)受け入れられているようです。

私のようにレコード→CD→MP3→ハイレゾストリーミングのように、ハンドリング性と高音質化が進化であり価値であったX世代(団塊ジュニア)にとって、今更レコードの不安定な音質に戻るのは些か抵抗があります(&私はレコードプレーヤーを所有していません)。

Analog or Digital.

ただ、レコード特有の大きなジャケットとライナーノーツはモノとしての魅力を感じるのも確か。そこで前述のようにレコード盤を手にしつつもCD音源で鑑賞するスタイルとなりました。

  


同じアルバムであってもレコード盤とCD盤ではライナーノーツに大きな差があります。

上記、斉藤由貴「ガラスの鼓動」(1986年)もCD盤では素っ気ない明朝体の文字だけなのに対し、レコード盤では写真も豊富な上に楷書体である等、デザイン面から受ける印象が大きく異なります。

何かと嵩張るレコード盤ですが、音楽を物理的に愉しむ満足度は最も高いメディアなのかも知れません。[了]

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余談:

ファンの中でもマスターピースと名高い斉藤由貴「ガラスの鼓動」(1986年)、ライナーノーツをよく読むと「制作場所」が「ヒ・ミ・ツ・」と思わせぶりな記載が↓


以前はあまり気にしなかったのですが、下にエキストラとして「河口湖近辺小動物」「Mt.Fuji」とある他、挿入写真に富士山が写っていることから、河口湖に近いスタジオで録音したのだな、と漠然と思っておりました。

インターネットで容易に調査が可能な昨今、当該スタジオは当時ニッポン放送が建てたポニーキャニオンの「河口湖スタジオ」である事が判明します。アルバムの監督・企画・構成を担当した長岡和弘氏のブログ記事(2012年1月13日)にて言及されているのを見つけました。

加えて、且つて河口湖スタジオで作業を経験された方のブログ記事に掲載された写真を見ると、ライナーノーツに挿入された各写真と合致する事が分かります。当時のスタジオ内の雰囲気が伝わってきますね(尚、河口湖スタジオは1983年5月にオープンし、2011年9月30日に閉鎖された模様)。

今回、改めてレコード盤のライナーノーツをじっくり見ることで昔は分からなかった詳細が色々とわかってきたのも面白い発見でした。

レコード盤が主流なCD黎明期、アルバムはレコード盤を念頭に作られていた為、CD盤のライナーノーツは歌詞の記載くらいしか無い等、最低限のものが散見されました(大きなサイズのレコード盤のライナーノーツをそのままCDサイズに縮小しても読めない為)。

そうした意味で「当時モノ」はレコード盤を手にしながらCD盤(もしくは配信ストリーミング)を併せて聴くのが愉しい昨今です。